企 画 セ ッ シ ョ ン
セッションG
学会設立20周年を機に、これまで「研究部会小集会」として親しまれてきた各研究部会による報告会を、セッションG“企画セッション”へ名称を改め、さらには、実行委員会をはじめとする各委員会や、若手の会からの企画を盛り込むこととしました。これにより、研究発表会参加者へ広く参加いただき、研究発表会さらには本学会を通じての研究活動、社会活動が活発になされることをねらいとしています。
G1 伊勢湾台風から半世紀~災害廃棄物について考える
9月17日(木) 第6会場(豊田講堂シンポジオン会議室) 16:45
- 18:15
廃棄物資源循環学会シリーズ③「災害廃棄物」刊行記念(実行委員会)
自然災害の発生はある意味で避けようのない現実ですが、課題は災害による被害をできるだけ抑制することです。最近は防災の概念が、災害による被害を出さないための取り組みという観点から、ある程度の被害の発生を予想して、その被害をできるだけ低減していく、いわゆる「減災」という考え方に移ってきています。
災害による廃棄物の発生量は膨大であり、災害廃棄物をできるだけ抑制・減量することが求められています。ですから減災の対策として、災害廃棄物対策を準備しておくことは極めて重要です。また、災害廃棄物に関する調査研究も、今後特に注力されるべきでしょう。
2009年3月に刊行された廃棄物資源循環学会シリーズ③「災害廃棄物」は、今後、災害廃棄物問題に取り組むにあたって、十分な情報を提供しています。そして災害廃棄物対策の重要性をあらためて認識し、各界でこの問題に関する取り組みが広がっていくことを念願してとりまとめられました。
当セッションでは、この「災害廃棄物」の趣旨を受け、災害廃棄物に関する最新の情報交換を行い、災害廃棄物対策に関して議論を深めたいと考えています。また、参加者それぞれが、今後、災害廃棄物対策に関する取り組んでいくにあたり、その取り組みに資する会になるよう企画しました。
プログラム(案):
編者挨拶 島岡隆行(九州大学)
事例報告 1.
濃尾平野における水害廃棄物発生量推計
(案) 2.
首都圏大規模水害における災害廃棄物処理モデル
3. ハリケーン・カトリーナにおける災害廃棄物処理
4. 災害廃棄物処理に関して行政の立場から
パネルディスカッション「災害廃棄物処理計画策定に向けた諸研究」(案)
G2 今「環境教育」について考える ― 学会・自治体・企業・市民団体の取り組みについて
9月17日(木) 第1会場(IB電子情報館1F) 16:45 - 18:15(実行委員会)
東海・北陸支部では、最近、環境教育に力を入れ、学校訪問などを通して子供らへの環境に関する啓蒙活動を実践してきました。こうした取り組みは学会だけでなく自治体や企業、市民団体もそれぞれの立場から積極的に取り組んでいます。本セッションでは、各取り組みを報告すると共に実践のなかで得られた教訓などについて報告してもらいます。
プログラム(案):
事例報告 1. 学会支部の立場から・・・東海・北陸支部
2. 自治体の立場から・・・名古屋市
3. 企業の立場から・・・岐阜信用金庫・中部電力
4. 市民団体の立場から・・・調整中
総合討論 フロアとの質疑応答を行う。
G3 省CO2型社会を目指す新しい技術 - システムの構築とビジネス化に向けて
9月17日(木) 第2会場(IB電子情報館1F) 16:45 - 18:15(実行委員会)
廃棄物焼却炉を始めとする地域内の中小規模排出源の排ガスからCO2を分離回収し、農業や工業の生産活動に利用する研究開発、下水再生水の温度差を利用してエネルギーを発生させ、地域内で活用する事業など、来るべき省CO2型社会における有望なビジネスの可能性を紹介する。
プログラム:
1
小規模排出源からのCO2回収・農業利用による地域ゼロエミッションシステムの検討
地球温暖化防止に向けて、2050年には世界全体で二酸化炭素(CO2)の排出量を現状比で50%以上削減するなど、世界各国で高い目標が掲げられている。現在の技術や社会システムを前提として日々改善を加えるタイプの努力によって、こうした高い目標を達成することは難しく、技術や社会システムを抜本的に変革する革新技術や革新技術を組み込んだ新たな社会システムが求められている。
こうした革新技術の一つとして、CCS(Carbon Capture & Storage)技術が注目を集めている。CCS技術は、大気中に排出される排ガス中に含まれるCO2を分離回収した上で、廃棄された石油田や天然ガス田、地下にある帯水層中にCO2を貯留する技術であり、主として石炭火力発電所や高炉等の大規模なCO2排出源への適用が想定されている。CCSは、CO2の分離回収、輸送、地中貯留という3つのプロセスから構成されており、各プロセスについて、安全で効率性の高い技術やシステム開発が国内外で進められている。
この大規模CO2排出源を対象として研究開発が進められてきたCCS技術を、地域内に存する中小規模のCO2排出源に適用し、分離回収したCO2を地域内の農業に利用することにより、CO2の排出量削減と地域農業振興を両立させようとするコンセプトが、“小規模排出源からのCO2回収・農業利用による地域ゼロエミッションシステム”である。
現在、ハウス農業においては光合成の促進による果実や葉菜類等の栽培品の生育や収量の増加、果実の糖分や色艶等の品質の向上等を目的としてCO2施用栽培が行われるケースがある。CO2施用栽培を行う際、利用するCO2は化石燃料起源である場合が多い。具体的には、“①工業的に生産されたCO2を液化して、ローリーで輸送、ハウス周辺に保管し、CO2濃度に応じてハウス内に気化・散布する方法”、“②ハウス周辺に設置された燃焼装置により油やプロパンガスを燃焼させてCO2を発生させ、ハウス内に散布する方法”のいずれかが採用されるケースが大半である。
この化石燃料由来のCO2の代替供給源として、地域内に存する中小規模のCO2排出源(例えば、地域内の廃棄物焼却施設等)から大気中に放出されているCO2を利用することができれば、油やプロパンガス等の化石燃料の利用を削減することができ、地球温暖化の防止にも貢献することができる。さらに、栽培された果実や葉菜類等の非食部について、堆肥化やバイオマス利用等を行うことにより、温室効果ガスの排出削減効果を一層、高めることが可能となる。
CO2施用栽培はオランダ等の施設農業・ハウス農業の盛んな地域では従来から積極的に実施されており、世界全体の農業用温室の面積は約58万haにものぼるとされている。また、昨今、我が国では植物工場に対する関心が高まっている。植物工場においてもCO2は重要な栄養源の一つとして必要不可欠なものとなる。こうした農業需要に対して、地域内に点在する排出源からのCO2を有効利用するモデルを確立することができれば、その効果は世界的に波及する可能性が高いものと考えられる。
企画セッションG3では、小規模排出源からのCO2回収・農業利用による地域ゼロエミッションシステムのコンセプトと可能性を紹介する。
発表者: 千代田化工建設株式会社 宮川俊彦
株式会社NTTデータ経営研究所 村岡元司
2
バイオマス化の都市ガス導管への注入実験 (案)
石油、ガスの分野にもバイオ燃料やバイオガスの利活用が求められている背景を踏まえ、下水処理場や食品工場等由来のバイオマスから生成するバイオガスの量、組成等を安定させ、都市ガス同等の品質まで高め、それをガス導管に注入することで、CO2の地域内利用を目指す研究成果を発表します。
発表者 東邦ガス(株)
G4 若手ができる事、若手しかできない事
9月17日(木) 第3会場(IB電子情報館1F) 16:45 - 18:15 (若手の会)
「若手の会」とは若手会員や学生で構成される、将来の学会を担う若者の集まりです。参加資格など堅苦しい規定は抜きにして、自分が若手だと思う人、若手の生態に興味がある人が集う場を提供しています。
この会では様々なアクションを起こしており、その活動内容や今後の予定等は総会で報告します。その後、様々なトピックに関して「若手ができる事、若手にしかできない事」をパネルディスカッション形式で議論します。(詳細は近日公開!!)また、ディスカッション終了後、場所を変えて韓国の若手研究者を招待し、若手研究者国際交流会(飲み会)を催します。海外の研究者と情報交換のできる貴重な機会ですので、皆様の積極的な参加をお待ちしています。
G5 下取りと3Rの微妙な関係を考える
9月17日(木) 第4会場(IB電子情報館1F) 16:45 - 18:15(消費者市民研究部会)
最近、衣類を中心として、いくつもの企業が下取りセールを行っている。下取りは、使用済み製品を企業が引き取る行為と見ることができ、リユース・リサイクルに向かえばごみ減量効果も期待できる。一方、下取りは販売促進の側面も持つと考えられる。私たちは下取りをどのように受け止めたらいいのだろうか。
本企画では、こうした問題意識から、下取りに先進的に取り組んでいる企業、および、下取り以外の方法で販売した商品の3Rに取り組む企業をお招きして、その現状と課題を共有するとともに、今後の望ましいあり方について考えてみたい。
■報告
1)使用済み製品は、再生利用資源になるの?(ユニー(株) 百瀬則子)
2)カタログハウスの「エコひいき」事業((株)カタログハウス
松尾隆久)
3)下取りセールの消費者心理と3Rの関係(環境カウンセラー 中村恵子)
4)下取りとEPR・3Rの関係を考える(京都府立大学 山川肇)
■パネル・ディスカッション
コーディネイタ:京都府立大学 山川肇
G6 レアメタル分析手法相互検証への取り組み
9月17日(木) 第5会場(IB電子情報館2F) 16:45 - 18:15(物質フロー研究部会)
レアメタル回収に関連する最近の動きとして、携帯電話のライフサイクルフローと資源性金属の存在についての話題提供をしていただきます。そして、物質フロー研究部会(旧有害廃棄物研究部会)としての研究プロジェクトとして、今後、公募方式で推進する予定の分析手法相互検証スキームの前提となる共通試験方法策定についての取組みについて報告、議論します。とくに相互検証に向けたご参画を考えておられる方々におかれては、奮って本企画セッションにご参加下さい。
プログラム:
1.携帯電話のライフサイクルフローと金属の資源性
村上進亮(東京大学大学院工学研究科システム創成学専攻)
2.レアメタル等金属の分析方法標準化に向けた検討-パソコン基板を中心に-
貴田晶子(国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター、物質フロー研究部会)
3.レアメタル等の金属分析の相互検証の取り組み
宮崎徹(ニッテクリサーチ㈱、物質フロー研究部会)
4.質疑と総合討論
酒井伸一(京都大学、物質フロー研究部会)
G7 バイオマス利活用の最新技術とシステム化 パート2
9月17日(木) 第7会場(豊田講堂3F) 16:45 - 18:15 (バイオマス系廃棄物研究部会)
バイオマス部会ではこれまでに、バイオマス系廃棄物処理の現状把握、新技術としてのバイオマスリファイナリー、バイオマスエネルギーの調査研究や利用構想を小集会のタイトルとして参加者の皆様とバイオマス利用にかかわる問題点の明確化と要素技術の情報を共有してきました。本企画セッションでは、バイオマス系廃棄物の総合的利活用を考えるときに欠かすことのできない、要素技術の組み合わせと利活用システムの構築をキーワードとした取り組みについて報告を行うと共に、参加者の皆様との議論を行うことを目的としています。
プログラム:
講演者
1.リンの回収・利用に関する畜産農業分野での研究状況およびその背景
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 田中康男氏
2.廃棄物系バイオマスを原料とするバイオ水素生産の技術開発の現状報告
サッポロビール株式会社 価値創造フロンティア研究所 岡田行夫氏
3.我が国のバイオディーゼル燃料の現状と将来
滋賀県立大学工学部 機械システム工学科 山根浩二氏
G8 廃棄物計画論におけるマネジメントツールの活用について
9月17日(金) 第1会場(IB電子情報館1F) 13:15 - 14:45(廃棄物計画部会)
廃棄物処理事業を管理・運営して行くと、新しい事業に着手・推進していく場合や、事業のよりいっそうの効率化を図るための方策を計画し、実現化していく場合に遭遇します。
そうした場合、現状把握・分析を行い、課題を整理し、関係者の合意形成を図り、具体的な計画を描いて行きます。そして、事業実現に向けて必要な作業項目を明らかにし、主要工程を組み、事業実現のための予算化を図り、事業に着手します。計画論的に時系列の流れを見れば、企画・構想段階、計画・事業化段階、調査・設計段階、工事施工段階、維持管理段階を踏んでいくことになりますが、それぞれの段階で、多くの検討、分析が必要となります。
本小集会では、計画部会員が研究したマネジメントツール(プランニングツールも含めて)について、適用した事例と、その時の効果を含めて発表するとともに、マネジメントツールの活用について、その成果、利点、課題等について報告します。
プログラム:
発表者: 廃棄物計画部会メンバー 谷川、石井、池田、馬場、西川
コーディネータ 西川
G9 エコ替えって、大丈夫? ~2Rを考える
9月18日(金) 第2会場(IB電子情報館1F) 13:15 - 14:45 (社会経済部会)
環境を切り口とした経済・社会構造の変革を目指して、日本版グリーン・ニューディール政策が提案された。その中の柱の1つに「緑の消費への変革」がある。現在、この方針に基づき、省エネ家電のエコポイント制度やエコカー補助金制度などの施策が実施されつつある。また、企業側でもトヨタの「エコ替え」など、同様の考え方が示されている。しかし、資源消費や廃棄物発生などを考えると「もったいない」と考える消費者もおり、エネルギー消費と3R、それから使用時とそれ以外のエネルギー消費など、幅広い視点から十分検討する必要がある。一方、これらの経済的効果についても議論がある。
そこで本企画では、「エコ替え」、「エコポイント制度」等について、その環境効果や経済効果について議論するとともに、これを素材として低炭素社会と循環型社会の両立のあり方を考える。
なお本企画は、2R研究会(2Rとは、リデュース、リユースのこと)との共同企画である。
プログラム:
■報告
1)エコポイント制度と環境配慮の制度を考える (株)大和総研 情報技術研究所
荻原 充彦
2)家電製品の買い替えによる省エネルギー効果の実際 (株)住環境計画研究所 岸田真一
3)「エコ替え」って、大丈夫?~環境負荷削減につながる家電のエコ替えの判定基準
国立環境研究所 田崎智宏 ・ 産業技術総合研究所 本下晶晴
4)「エコ替え」は、環境コミュニケーションとして成功するか? (株)日本総合研究所 三木
優
■パネル・ディスカッション
コーディネイタ:京都府立大学 山川肇
G10 事業系一般廃棄物処理のあり方について
9月18日13:15-14:45 第3会場で予定されていました
「企画セッション G10 事業系一般廃棄物処理のあり方について(行政研究部会)」
はキャンセルになりました。
G11 わが国の日本の3R経験を海外へいかに伝えるか
9月18日(金) 第4会場(IB電子情報館1F) 13:15 - 14:45 (ごみ文化研究部会)
わが国では、戦後の高度経済成長、円高、規制緩和などを通じて、伝統的な容器包装がすたれ、旧来の静脈産業の担い手が退場する一方で、第三次産業の発展、市民と行政との協働、廃棄物処理の高級化など、3Rに関わる社会環境は大きく変わった。そして、この高度に発達した社会を基盤として循環型社会への転換が進められているが、アジア各国へ、それぞれの国の社会経済状況に応じて適切な3Rに関わる情報を提供するには、改めて過去のわが国の経験から学ぶことが重要と考える。
そこで本セッションでは、アジア地域等で廃棄物処理分野の活動に取組まれてきた方々をお招きし、わが国の経験と照らし、どのような情報を必要としているか等についてうかがい、討論を行います。(「日本の3R制度・技術・経験の変遷に関する研究グループ」との共催です。)
プログラム:
代表挨拶 松藤 康司 (福岡大学)
パネルディスカッション
司会 八木 美雄 ((財)廃棄物研究財団)
パネラー 高畑 恒志 ((独)国立環境研究所)
吉田 充夫 ((独)国際協力機構)
森田 昭 ((財)日本環境衛生センター)
石井 明男 ((株)八千代エンジニアリング)
G12 プラスチックリサイクルの最新課題
9月18日(金) 第5会場(IB電子情報館2F) 13:15 - 14:45 (リサイクルシステム・技術研究部会)
急激な経済変動でプラスチックリサイクルも荒波にもまれています。家電プラの水平リサイクルで循環型社会形成が大きく進みましたが、ワンステップ上を目指すために、新たな技術・新たなシステムをコアとする新たな取り組みが必要です。オバマによる環境の世紀が確実に始まります。これに対応するために、当部会では4年連続で行ったプラスチックリサイクルに関する小集会の結果を本という形にまとめました。今回、これを叩き台にして埋もれた課題を発掘し、競争力強化の方法論から、日本におけるリサイクルの将来性を議論したい。
プログラム:
主旨説明 松藤敏彦(北海道大学大学院)
第1部:講演 座長 松藤敏彦(北海道大学大学院)
家電シュレッダーダスト選別の最新動向
早田輝信(㈱テルム)
ケミカルリサイクルの将来性は? 加茂徹((独)産業技術総合研究所)
プラスチックリサイクルの現状と課題 山脇隆((社)プラスチック処理促進協会)
第2部:パネルディスカッション
コーディネーター:(北海道大学大学院)松藤敏彦
パネラー: 早田輝信(㈱テルム)、
加茂徹((独)産業技術総合研究所)、
田崎智宏((独)国立環境研究所)
Copyright 2009 Japan Society of Material Cycles and Waste Management, All
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