企 画 セ ッ シ ョ ン

 

 学会設立20周年を機に、これまで「研究部会小集会」として親しまれてきた各研究部会による報告会を、セッションG企画セッション”へ名称を改め、さらには、実行委員会をはじめとする各委員会や、若手の会からの企画を盛り込むこととしました。これにより、研究発表会参加者へ広く参加いただき、研究発表会さらには本学会を通じての研究活動、社会活動が活発になされることをねらいとしています。

 

G1  循環型社会に関する日中対話セッション

115日(金) 第3会場 9:00 - 10:30                                                       (実行委員会)

 中国では、循環経済促進法を制定後、JICAの協力を得て循環資源の更なる活用に向けて、特に食品廃棄物、包装ごみ、廃タイヤを中心とする資源化の促進に向けた取組みを進めつつあります。その一環として、1015名からなる中央政府、地方政府の視察団がJICA研修として金沢を訪問し、4日の国際シンポジウムにも参加することになりました。5日には、国際シンポジウムの情報を踏まえつつ、我が国における食品廃棄物、包装ごみ、廃タイヤを中心とする循環資源利用の現状と課題について説明するとともに、中国が抱える課題等について意見交換を行います。

プログラム:

報告         1. 日本における循環型社会形成に向けた施策 (オーバービュー)

                   2. 日本における包装廃棄物、食品廃棄物のリサイクルの現状と課題

                   3. 日本における廃タイヤのリサイクルの現状と課題

                 意見交換

言語: 日中逐語通訳

 

G2  プラスチックリサイクルにおける容器包装リサイクル法の意義

114日(木) 第2会場 15:15 - 16:45            (リサイクルシステム・技術研究部会)

 容器包装リサイクル法が施行され、今では広く社会に定着している一方で、制度内容の検討や要素技術開発への取組みが積極的に行われています。しかしながら、プラスチックにおいてはリサイクル手法の位置づけに課題があることも指摘されています。今回の企画では、各リサイクル手法と制度のとの関連、リサイクルを委託する特定時業者側の見解と回収を行っている自治体サイドの取組みについて議論を行う予定です。

プログラム:

  1部:    講演                           

  リサイクル手法と制度との関連                             森口 祐一(()国立環境研究所)

特定事業者の見解                              プラスチック容器包装リサイクル推進協会(予定)

廃プラスチック回収における自治体の現状  遠藤 守也(仙台市市役所)

  2部:    パネルディスカッション  

         コーディネーター: 吉岡 敏明(東北大学)

 

G3  埋立地の安定化と跡地利用

114日(木) 第3会場 15:15 - 16:45                                      (廃棄物埋立研究部会)

 最終処分場の廃止基準が1998年に施行され、埋立部会では廃止に関する、考え方、調査測定、評価判断について、研究課題として取り上げ、2002年に「廃棄物最終処分場廃止基準の調査評価方法」を報告書として作成した。その後、欧米では安定化促進、安定化の診断、アフターケア計画などに関して議論が進められている。埋立地内の変化は他の処理と較べてきわめて緩やかで、長期にわたり、しかもさまざまな物質、反応が関与するため不確定性が強い。本企画セッションでは、安定化に関わる以下のテーマを取り上げ議論を進める。欧米の状況も随時紹介する。

プログラム:                                                                                                        

報告            1. 安定化をどうはかるか(廃止基準と関連して)

2. 安定化の促進技術

3. 跡地利用と長期の安全性

 

進め方: 各テーマについて23名が5分程度の話題提供を行い、引き続いて意見交換を行う。

コーディネータ: 松藤 敏彦(北海道大学) 

 

G4  廃棄物減少社会における廃棄物計画のあり方(仮)

114日(木) 第4会場 15:15 - 16:45                                              (廃棄物計画部会)

 一般廃棄物処理量は経済活動の低迷だけでなく、地球温暖化対策の一環としての廃棄物量の減量化・資源化の推進、生活系ごみ処理手数料の有料化導入、及び人口減少などにより、今後も減少傾向をたどるものと予測される。

廃棄物計画部会では、このような廃棄物減少社会の姿を描き出し、将来どのような廃棄物計画となるかを検討し、その結果を会員の皆さんに報告し、今後の廃棄物計画のあり方について会場の皆様との意見交換を予定している。

プログラム:

発表者: 廃棄物計画会メンバー関東支部会有志

           コーディネータ: 廃棄物計画部会メンバー

 

G5  若手の会総会」−若手の会マニフェスト発表!!−

114日(木) 第5会場 15:15 - 16:45                                                         (若手の会)

 「若手の会」とは将来の学会を担う若手会員や学生で構成される活発な若者の集まりです。参加資格などはなく、自分は若手だと思う人、会の活動に興味がある人はどしどしご参加ください。この会では様々な活動をしており、その内容や今後の予定等を総会で報告します。さらに、今年度は若手の会マニフェストと題して、会の公約事項を発表します。その後、昨年度開催して大盛況だった、Great Waste Photo賞の選出、及び表彰を行いたいと思います。(詳細は近日公開!!)また、学会初日の夜に会の国際交流活動として韓国の若手研究者を招待した若手研究者国際交流会(飲み会)を催す予定です。海外の若手研究者と情報交換のできる貴重な機会ですので、皆様の積極的な参加をお待ちしています。

 

G6  循環型社会、低炭素社会時代に応える都市ごみ焼却処理(仮)

114日(木) 第6会場 15:15 - 16:45                                      (廃棄物焼却研究部会)

 都市ごみ焼却処理は、初期には衛生処理・減容化を主目的として出発したが、現在ではそれらの目的に加え、発電を中心とした高効率なエネルギー回収が期待される施設に変化している。一方で、各種リサイクル法が制定され、またメタン発酵など焼却以外の中間処理も増えてきており、都市ごみ中間処理方式としての焼却処理の位置づけにも変化がみられる。

当研究部会では、現在あるいは近い将来の循環型社会、低炭素社会時代において、都市ごみ焼却処理が担う役割がどう変化し、それにどう応えていくのか、ごみの量および質、広域処理の導入、各種中間処理の組み合わせといった観点から検討し報告する。また、制度面も含めたごみ発電の課題についても問題提起する。

プログラム:

発表者: 廃棄物焼却部会メンバー(未定)

質疑応答(ディスカッション)

 

G7  これからの衣類の3Rにどう取り組むか?(仮)

114日(木) 第7会場 15:15 - 16:45                                      (消費者市民研究部会)

 衣類のごみは「もったいない」ごみの代表格であり、生活者にとっては捨てるに忍びず、しばしば困るものである。一方、衣類の再利用率は2割程度と言われ、紙類や飲料容器などと比べるとかなり低い。にもかかわらず、本学会ではこれまで衣類の3Rに関する研究がほとんど見られず、議論されることは少なかった。

 そこで本企画では、先般の学会誌特集を受けて、衣類・繊維類の3Rに取り組まれている方々をお招きし、その促進のためにはどうしたらよいのか、現場の課題と今後の展望について考えることとした。近年、古着需要の増加やリサイクル技術の開発など各種の動きが見られるが、こうした動向も見据えた今後の衣類の2Rや回収のあり方を中心に議論したい。

プログラム:

報告            1. 衣類の3R〜現状と課題(仮)                                                 岩地 加世(消費者市民研究部会)

                   2. 衣類の再利用で太陽光発電所を建設(仮)            依頼中(NPO法人エコメッセ)

                   3. ファッション・リユースの最近の動向(仮)                                未定(中古衣料関係者)

                   4. 衣類・繊維類の3R促進に向けた現場の課題(仮)                依頼中(故繊維回収業者)

パネルディスカッション

パネリスト: 上記の報告者に加えて、自治体関係者を予定

司会: 山川 肇(京都府立大学)

 

G8  レアメタル分析手法相互検証への取り組み その2

115日(金) 第1会場 9:00 - 10:30                                        (物質フロー研究部会)

趣 旨

レアメタルの戦略的利活用とリサイクルの促進は、国際的資源需給の面からも重要な国家戦略の一つになりつつあります。家電リサイクル法の品目追加(液晶テレビ等)においても、積極的研究開発の促進が謳われました。使用済み小型家電機器からのレアメタル回収に向け、さまざまな取り組みがなされています。その一方、多くの金属化合物はヒトや生物への有害特性を有していることは知られていますが、十分な研究がなされていない金属も多くあります。そこで、資源性と物質管理性の両側面から、メタルリサイクルに関する議論を行ってきており、本企画セッションでは、物質フロー研究部会の研究プロジェクトとして進めている「製品中レアメタル等の分析法の相互検証(第二フェーズ)」の状況について報告します。また関連するテーマについての講演を予定しています。

プログラム

1.    使用済小型家電からのレアメタル回収及び適正処理に関する研究会について

豊住朝子(環境省)

2.    製品中レアメタル等の分析法の相互検証に関する中間報告

貴田晶子(国立環境研究所)

3.    今後のレアメタル分析方法の相互検証

宮崎 徹(ニッテクリサーチ)

4.    質疑と総合討論

司会:酒井伸一、平井康宏(京都大学)

 

G9  2Rを分析・評価するには?(仮)

115日(金) 第2会場 9:00 - 10:30                                                    (社会経済部会)

 現在、循環型社会、低炭素社会の実現がともに求められており、その両立のためには、リデュースとリユース、すなわち2Rを促進することが一般に有効だと考えられる。 社会・経済部会では、2007年の小集会で「発生抑制をどのように研究するか?」と題して2R研究の困難さと展開可能性について議論した。その後、この小集会のパネリストを中心に2Rの分析・評価手法について検討してきた。これまで2008年、2009年と関連の企画セッションを実施したが、今年は再び研究方法をテーマとして取り上げ、これまでの研究成果に基づいて、2Rの評価指標やLCA手法などの2Rの分析・評価手法を中心に議論する。

プログラム:

報告           1. 2Rの分析・評価手法に関する成果と論点(仮)      山川 肇(京都府立大学)

2. 2Rによる発生抑制効果の評価方法(仮)                               橋本 征二(()国立環境研究所)

3. 異なる環境影響間のトレードオフの検討手法(仮)                 本下 晶晴(()産業技術総合研究所)

パネルディスカッション

司会: 山川 肇(京都府立大学)

 

G10  バイオマス利活用の最新事例

115日(金) 第2会場 10:45 - 12:15                       (バイオマス系廃棄物研究部会)

 バイオマス系廃棄物研究部会ではこれまでに、バイオマス系廃棄物処理の現状把握、新技術としてのバイオマスリファイナリー、バイオマスエネルギーの調査研究や利用構想を小集会・企画セッションのタイトルとして参加者の皆様とバイオマス利用にかかわる問題点の明確化と要素技術の情報を共有してきました。今回は、進展するバイオマスの利活用に関する最新事例の報告と大学研究者によるバイオマスのエネルギー利用に関するこれまでの研究総括的な講演を行うことで、バイオマス利活用に関する現状と課題について、参加者の皆様と議論を行うことを目的としています。

プログラム:

部会長挨拶

講演1「学校給食センターから排出される生ごみを利用したエネルギー回収事業」

静岡県工業技術研究所 環境科 上席研究員 酒井 奨氏

講演2「ニューバイオを取り込んだオールドバイオによる資源循環プロセスの開発とその応用」

                   熊本大学大学院自然科学研究科 教授 木田建次氏

講演3「バイオマスタウン構築とバイオマス利活用の現状と課題」

                   社団法人日本有機資源協会 会長 (東京大学名誉教授) 兒玉 徹氏

質疑・総合討論

 

講演に関するキーワード: バイオマスエコタウン、燃料電池、バイオガス発電、バイオマスのエネルギー利用

 

G11  日本の3R体験を国際貢献に生かすために

116日(土) 第2会場 9:00 - 10:30                                            (ごみ文化研究部会)

 1980年代から21世紀初頭にかけて、韓国、シンガポール、台湾、香港などかつての新興工業国・地域の台頭に続き、タイ、マレーシア、BRICsなど世界の各地で活発な工業化の波が広がった。この波はとどまることなくベトナム、インドネシアなどにも及ぼうとしている。

工業化の進展著しいアジアの循環型社会構築に向けて、日本の情報発信や支援などの取組みが重要なことは言うまでもない。一方、途上国ではリサイクルが盛んではあるものの、それが環境や健康に課題を呈している面もあり、必ずしも日本のめざす循環型社会への取組みと整合しているわけではない。また伝えるべき日本の3Rの経験も、個々の技術や制度だけでなく、その背景となる価値規範や地域社会のあり様を相互に理解する必要がある。3Rの施策を安定的に永続させるためには経済的インセンティブや市場とのリンクなど、産業側の取組みが不可欠であり、その点でも日本の経験は貴重である。

そこで、本年は以上のような視点に基づき、経験を踏まえた報告と討議により、内容を深めたい。

プログラム:

第一部        報告

1. 途上国における3Rと日本の目指す循環型社会 

2. 日本の3R経験と産業施策          

3. エコタウン事業と国際貢献の経緯     

4. 民間団体による経験移転の可能性       

第二部        ディスカッション

司会: 八木 美雄(()廃棄物研究財団)