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No.1 廃棄物資源循環分野における国際協力の近年の動向 (その1) 循環産業の海外展開
 

No.1 廃棄物資源循環分野における国際協力の近年の動向 (その1) 循環産業の海外展開

令和2年1月 第31巻 第1号

目次

年頭所感

7年目のマレーシア――大災害からの教訓――……後藤 雅史 1
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特集 廃棄物資源循環分野における国際協力の近年の動向 (その1) 循環産業の海外展開

わが国の循環産業の海外展開推進状況について……土居健太郎 3
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日本の循環産業の国際競争力――環境物品・環境サービス貿易の視点から――……佐々木 創 10
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ミャンマー・ヤンゴン市の廃棄物焼却発電――JCMを活用した廃棄物発電プラント――……鈴木 永芳 16
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中国での既存セメントキルンを活用した廃棄物処理システムの展開……橋元 篤志・利弘  淳 20
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我が国静脈産業の戦略的な移転に関する東南アジア途上国の事業環境と技術領域について……石垣 智基・山田 正人 25
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ベトナム国におけるメタン発酵事業創出に向けた取り組み……小林 英正 34
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東南アジアにおける廃棄物処理事業の取り組み……山本  淳 39
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ベトナムにおける建設廃棄物の適正管理と建廃リサイクル資材を活用した環境浄化およびインフラ整備技術の開発……川本  健 44
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令和元年度第30回研究発表会報告

研究発表会概要…… 51
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30周年記念事業報告…… 55
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国際セッション報告…… 58
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施設見学会報告…… 60
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市民展示・環境学習施設展示報告…… 62
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市民フォーラム・環境学習フォーラム報告…… 63
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企画セッション報告…… 64
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令和元年度廃棄物資源循環学会セミナー報告

SDGsスタンダードな生活衛生・資源循環インフラ――焼却・エネルギー回収・資源回収・最終処分の普及――……小野 義広 75
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廃棄物資源循環学会研究部会報告

環境学習施設研究部会「秋の視察研修会2019」報告……鈴木 榮一 78
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支部特集/支部だより

支部だより:北海道支部の取り組み…… 80
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書評

田中修三 著:土壌の汚染を知る ――地下にひそむ汚染,その全貌と対処戦略――……五十嵐敏文 82
仲村和代,藤田さつき 著:大量廃棄社会 ――アパレルとコンビニの不都合な真実――……友田 加世 83
日本環境化学会 編著:ブルーバックス B-2097 地球をめぐる不都合な物質――拡散する化学物質がもたらすもの――……渡辺 信久 84

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要旨

わが国の循環産業の海外展開推進状況について

土 居 健太郎*

【要 旨】 資源効率性や海洋プラスチック問題を巡っては,近年さまざまな国際的取組が進められているが,わが国や我が国循環産業がソフト・ハード面で貢献できるポテンシャルも大きい。本稿では,そうした課題に関する最近の国際動向を整理するとともに,わが国がこれまで地域 (東南アジア,アフリカ等) レベルで取り組んできた事例や廃棄物・リサイクル分野における海外展開戦略等を紹介する。


キーワード:アジア,アフリカ,プラスチック廃棄物

廃棄物資源循環学会誌,Vol.31, No.1, pp.3-9, 2020
原稿受付 2019.12.2

* 環境省 環境再生・資源循環局 総務課

連絡先:〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館
環境省 環境再生・資源循環局 総務課  土居 健太郎

日本の循環産業の国際競争力――環境物品・環境サービス貿易の視点から――

佐々木   創*,**

【要 旨】 日本の循環産業が国際市場において,「日本の環境物品の技術力は高いが,運営・管理を含むトータルマネジメント事業が必要な国際展開は出遅れている」という通説を環境物品・環境サービス貿易の視点で入手可能なデータから日本の循環産業の国際競争力について分析した。この結果,国別の特許数において中国はどの技術においても逓増していることと,国際出願では2018年時点で固体廃棄物の処理と廃棄物の焼却炉において日本企業は高いシェアを獲得していることが判明した。関連する環境物品の貿易においては,中国は焼却炉・破砕機の双方において輸出競争力を獲得してきており,日本は相対的に輸出競争力を失ってきている。アジア諸国の廃棄物処理サービス企業の所有者が判明している外資系企業では,日本が最も多くアジア諸国の廃棄物処理サービス企業へ出資していることが示された。


キーワード:APEC (アジア太平洋経済協力),焼却炉,破砕機,外資系企業,廃棄物処理サービス

廃棄物資源循環学会誌,Vol.31, No.1, pp.10-15, 2020
原稿受付 2019.12.2

* 中央大学 経済学部
** チェラロンコン大学 経済学部

連絡先:〒192-0393 東京都八王子市東中野742-1
中央大学 経済学部  佐々木 創

我が国静脈産業の戦略的な移転に関する東南アジア途上国の事業環境と技術領域について

石 垣 智 基*・山 田 正 人*

【要 旨】 わが国からアジア途上国への民間投資をベースにした静脈技術の移転を対象に,現地風土への適合性,持続的な運営,定着可能性を加味した事業環境の概要について整理した。わが国の静脈産業が技術的あるいは文化・慣習的に相対的に優位にあり,現地で受容可能な条件提示と事業化の可能性が比較的高いと考えられる領域として,破砕・選別による建設廃棄物の再生資材化,熱処理・エネルギー回収,包括的な都市ごみ管理システム,有害化学系廃棄物の適正処理・資源化があげられる。一般的に日本型の技術・管理システムの強みであると考えられていた,長期の安定運転実績,システムマネジメントやリスク評価力への信頼性は,とりもなおさず,競合国に比べて低いコスト競争力や意思決定の遅さ等,海外技術移転時のわが国の弱みとも直結する。コスト競争力の分析と改善努力はもちろん必要であるが,わが国の静脈技術・管理システムの強みや利点をブランド価値として強調しつつ,競合国との比較で優位に立てるような事業を提案することが重要である。


キーワード:日本の静脈産業,海外技術移転,技術・システムの強み,競合国,リバースイノベーション

廃棄物資源循環学会誌,Vol.31, No.1, pp.25-33, 2020
原稿受付 2019.12.20

* (国研)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 国際廃棄物管理技術研究室

連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
(国研)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 国際廃棄物管理技術研究室  石垣 智基

ベトナムにおける建設廃棄物の適正管理と建廃リサイクル資材を活用した環境浄化およびインフラ整備技術の開発

川 本   健*

【要 旨】 人口増加とともに急速に都市化・工業化が進行し,経済成長著しいベトナムでは,都市域や工業地帯を中心に廃棄物排出量が増加している。建設廃棄物もリサイクルや再資源化も十分に推進されておらず,回収された建設廃棄物は特定の汚染防止措置を講ずることなく,投棄場での直接埋立もしくは空き地等への投棄が行われている。これらを背景に,埼玉大学とベトナム国立建設大学は,ベトナムからのJICA技術協力要請を受けて,建設廃棄物の適正管理とリサイクル促進に関する国際共同プロジェクト (JST-JICA 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム;SATREPS) を現在実施している。本記事では,ベトナムの建設廃棄物管理やリサイクルの現状を,本SATREPSプロジェクト概要とともに紹介し,ベトナムで建設廃棄物リサイクルを進める上での今後の課題を整理する。


キーワード:ベトナム,建設廃棄物,リサイクル,適正技術,SATREPS (地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)

廃棄物資源循環学会誌,Vol.31, No.1, pp.44-50, 2020
原稿受付 2019.11.10

* 埼玉大学大学院 理工学研究科 戦略的研究部門

連絡先:〒338-8570 埼玉県さいたま市桜区下大久保255
埼玉大学大学院 理工学研究科 戦略的研究部門  川本 健

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