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平成28年度関東支部講演会、研究発表会(荏原環境プラント株式会社本社)の開催報告

平成28年11月25日(金)荏原環境プラント株式会社本社にて、講演会・研究発表会が開催されました。本講演会および発表会は、支部会員同士の交流ならびに学生、若手研究者の研究発表の場を提供することを目的として開催されました。

第1部では講演会が行われ、はじめに(一財)日本環境衛生センターの藤吉秀昭副理事長より「廃棄物処理技術の失敗学について」と題してご講演いただきました。続いて、関東支部に所属する大学および研究機関、さらに民間企業から各研究活動紹介が行われました。講演会には100名を越える方のご参加を頂きました。

第2部では研究発表会として学生や若手研究者によるポスター発表が行われ、その後第3部では意見交換会が催されました。

<講演会>

講師の藤吉副理事長からは、廃棄物処置技術の失敗学について、はじめに“廃棄物処理の技術の進化で起きた失敗”と題し、過去に起きた技術の諸課題と何故起こったのかについて解説されました。その後、中間処理施設設計の入力条件の幅の設定に関する御考察についてお話がありました。また、“技術は生き物”であるとして、途上国への技術支援にあたり特徴的な課題について解説いただきました。そして最後に、廃棄物処理技術の失敗の3要素についてお話しいただき、今後の廃棄物処理技術に関して、IoT技術を活用する等を含む展開についてお話いただきました。講演後、先人たちの経験則を次の世代とどう共有していくかについて質疑応答が行われました。

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次に研究活動紹介として、工学院大学工学部機械工学科 小林研究室、株式会社大林組、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターから日頃の研究活動等の様子について発表が行われました。

<研究発表会>

講演会後、ポスター研究発表が催されました。学生発表20件、社会人発表12件、計32件の研究発表がなされました。研究発表は1部45分の2部構成とし、発表者も他の研究発表者と交流を持つことができ、活発な議論をしている様子が見られました。研究発表会会場には企業展示ブースを設けており、11件の企業・団体の出展をいただきました。

意見交換会には多くの方に参加していただき、意見交換が深められたものと感じました。最後に支部長より、7名の発表者に優秀ポスター賞の賞状が授与されました。

○優秀ポスター受賞者

1)都市ごみ焼却主灰セメント資源化モデル-東京23区を事例に-,首都大学東京大学院・東京都環境科学研究所 飯野成憲

2)埋立地最終覆土における降雨時の水とガスの移動,東京大学大学院農学生命科 学研究科  伊豆本聡

3)廃棄物発電高効率化に向けた塩素移行予測と腐食速度調査,荏原環境プラント株式会社 神山直樹

4)下水からのリン資源の回収・再利用の促進に関する研究(中間報告),芝浦工業大 学環境システム学科 大坪航

5)”東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理に関する一考察(第1報)-災害廃棄物処理事業費用の構造-“,日本環境衛生センター 佐藤優衣

6)一般廃棄物焼却飛灰における粒子内・粒子間の不均一性評価,東京工業大学環境・社会理工学院 北村洋樹

7)除染廃棄物焼却時の放射性セシウムの挙動,国立環境研究所   藤原大

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おわりに

今回の講演会および研究発表会においては、大学や研究所等の研究機関だけでなく、民間企業や関係団体など、研究分野だけでない幅広い参加者を得ることができました。都心からは少々距離がある会場でしたが、多数の方にご参加いただき、交流及び研鑽の場として非常に有意義な場になったと感じました。企業展示では多くの企業・団体様からご協力を頂き、誠に感謝申し上げます。研究発表会は、2部に分けてポスター発表により行われ、発表者間でも様々な意見交換が図られたものと考えています。また、意見交換会ではさらに意見を深め、相互に理解を深める非常に良い場になったと感じました。最後に研究発表会および講演会の開催にご尽力いただいた荏原環境プラント株式会社の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

報告者;運営委員 長洋光、小竹茂夫