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平成29年度関東支部講演会、研究発表会(株式会社大林組本社)の開催報告
 

平成29年度関東支部講演会、研究発表会(株式会社大林組本社)の開催報告

1.はじめに

平成30年3月23日(金)株式会社大林組本社において、支部会員同士の交流ならびに学生、若手研究者の研究発表の場を提供することを目的とした講演会・研究発表会を開催しました。

第1部では講演会として、当学会理事の東京都環境局資源循環推進部 古澤康夫専門課長より「SDGsから考える持続可能な資源利用:先進国の都市の責任」と題してご講演いただきました。続いて、関東支部に所属する大学、研究機関および民間企業から研究活動紹介を実施しました。講演会および研究活動紹介には100名を超える方々にご参加いただきました。

第2部では研究発表会として学生や若手研究者によるポスター発表を、第3部では意見交換会を催しました。

2.第1部:講演会・研究活動紹介

講師の古澤専門課長からは、「SDGsから考える持続可能な資源利用:先進国の都市の責任」と題してご講演いただきました。はじめに、SDGsに関連して第5次環境基本計画案や、インドの経済学者アマルティア・センが経済学の倫理的側面を取り戻そうとした事例等をご紹介いただきました。また、日本のマテリアルフローを用いて、我々のよく知る下流の世界からは、上流の世界で起こっている飢餓や深刻な汚染問題等、知らない世界が多くあることをご説明されました。続いて、SDGsの基本理念である「持続可能な資源利用への転換」、「良好な都市環境の次世代への継承」に基づいた東京都での取り組みをご紹介いただきました。基本理念を達成するためには、廃棄物をいかに抑制し、処理するかが重要であり、それは世界中の先進国および大都市に同時に取り組む義務があることをお話しいただきました。

次に研究活動紹介として、千葉県環境研究センター、東急建設株式会社、荏原環境プラント株式会社から、会社紹介及び研究活動について発表が行われました。

   

3.第2部:研究発表会

講演会後の研究発表会では、学生24件、社会人11件、計35件のポスター発表がなされました。発表は1部45分の2部構成としたため、発表者も他の研究発表者と交流を持つことができ、活発な議論をしている様子が見られました。また、研究発表会会場には企業展示ブースを設け、13の企業・団体から出展いただきました。

4.第3部:意見交換会

意見交換会には多くの方が参加され、今回会場を提供された株式会社大林組 エンジニアリング本部長の竹内様より乾杯のご挨拶をいただきました。また、会中に大迫支部長より、7名の発表者に優秀ポスター賞が授与されました(意見交換会に参加されなかった2名の受賞者には後日賞状を郵送いたしました)。

〇優秀ポスター賞受賞者

1)木質バイオマスの構成成分の液化特性に応じた二段階プロセスの開発、新坂 周平(日本大学理工学部物質応用化学科)

2)有機物と炭酸水素ナトリウムの添加・焼結処理による石炭灰水分保持性能への影響、林 聖蕾(東京工業大学)

3)キレート処理飛灰の粒子表面および内部マトリクスにおける不均一性評価、北村 洋樹(東京工業大学)

4)”Gasification behaviors of Various Woody Biomass under inert or steam atmospheric condition”、櫻井 優矢(工学院大学)

5)Impact of small scale gold mining amalgamation techniques on uncertainty analysis of mercury exposure to humans via diet、TSHUMAH-MUTINGWENDE Rosamond(Tokyo Institute of Technology)

6)ごみ処理施設における事業者選定の非価格要素審査(総合評価方式)について、川緑 匠(一般財団法人日本環境衛生センター)

7)隣接したごみ焼却場と下水処理場の連携による自立型エネルギー回収システムの設計と評価、中久保 豊彦(お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系)

5.おわりに

今回の講演会・研究発表会が開催された日は、桜が咲き始め、春の訪れを感じる暖かい日となりました。品川という好立地であったことも功を奏し、大学や研究所等の研究機関だけでなく、民間企業や関係団体等から幅広く多数の参加者を得ることができ、交流及び研鑽の場として非常に有意義な場になったと感じました。

研究発表会では、聴講者が学生や若手研究者にさまざまな質問をしている姿が見られ、発表者間においても活発な議論が交わされていました。また、意見交換会では、お台場や東京スカイツリーを眺めながら、さらに意見を交わし、相互に理解を深める非常に良い場になったと感じました。

最後になりましたが、講演会・研究発表会の開催にご尽力いただいた株式会社大林組の皆様、企業展示にご協力いただいた企業・団体の皆様および発表いただいた皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

報告者:運営委員小竹茂夫、埜村綾乃

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