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令和2年度関東支部講演会、研究発表会(オンライン)の開催報告

概要

2021年3月4日(木)に講演会、研究会を実施しました。新型コロナウイルス感染症にともなう政府の緊急事態宣言が発出されていることから、例年の対面による方法からオンライン開催といたしました。プログラムは例年にならい講演会と研究発表会の2部構成としました。第1部の講演会は、早稲田大学理工学術院 香村 一夫教授より「わが国におけるレアメタル供給の現状と最終処分場鉱山学確立への展望」と題してご講演いただきました。続いて、関東支部所属機関による研究活動紹介を実施しました。その後の第2部では、学生や若手研究者による研究発表会を催しました。参加者として聴講申込は175名、研究発表申込で23件ありました。

<講演会>

講師の香村教授からわが国におけるレアメタル供給の現状と最終処分場鉱山学確立への展望と題して講演をいただきました(図-1)。海外からの供給に問題があるときその代替資源として最終処分場埋立層中のレアメタルを抽出することは有用であること、資源消費国である我が国として「持続可能な地球」を考えるうえで、この種の資源リサイクル技術の開発・提案は重要なテーマであることをこれまでのフィールド調査などの成果からお話をいただきました。講演を受けて参加者からチャットにより多数の質問(図-2)をいただきまして、講演内容の関心の高さがうかがえました。
その後、支部所属機関であるお茶の水女子大学環境評価学研究室、一般財団法人九州環境管理協会、株式会社クボタより研究活動の紹介を行いました。


図-1 香村教授による講演

図-2 講演内容への質疑応答
<研究発表会>

研究発表会は、23件の発表で行いました。オンライン会議システムの特徴を活かしたディスカッションを中心とする発表にしたいと、ショートプレゼンテーション(1件につき2分)とグループに分かれたディスカッションを行う方法をとりました。グループに分かれたディスカッションでは発表者と参加者との間で活発な質疑が行われている様子(図-3)がうかがえました。その結果として学会正会員からの投票により6件の発表(表-1)を優秀発表賞の対象としました。


図-3 ディスカッションの様子

 

表-1 優秀発表賞の受賞者
発表者 発表タイトル
1 Ngoc Han Hoang(National Institute for Environmental Studies) Construction and Demolition Waste Recycling in Vietnam: Potential Market and Economic Feasibility
2 王柯樺(お茶の水女子大学) Designing greenhouse gas emissions reduction scenarios for the sludge treatment sector of sewage treatment plants in large cities
3 楠原 詩乃(早稲田大学理工学術院) アロフェンを主成分とする火山灰土壌を用いた硝酸態窒素の除去
4 齋藤凜太郎(明治大学大学院理工学研究科応用化学専攻) 都市ごみ焼却飛灰の土壌混合ジオポリマー固化体中重金属の溶出試験
5 川幡翠(お茶の水女子大学) BOD濃度とEPT種数との相関を踏まえた水質改善効果の分析:群馬県汚水処理計画を対象として
6 宮本豊尚(国立研究開発法人土木研究所) 下水汚泥焼却炉のし渣混焼に関する実態調査
<おわりに>

最後に要領を得ない中でのオンライン開催でしたが、ご講演いただきました香村先生、研究発表会にご参加いただきました皆様のご協力もあり成功裏に終えたと思います。この場を借りて御礼申し上げます。