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2007研究討論会

2007研究討論会

平成19年度廃棄物学会研究討論会

植物由来プラスチックの将来性
(バイオマス系廃棄物研究部会 共同企画)

2007年5月25日(金)  9:30~11:30 (第2日 第1プログラム)
                    川崎市産業振興会館

 プログラム

講演・パネリスト
・西田治男(九州工業大学)
・井上雄三((独)国立環境研究所)
・近藤和博 ((株)荏原製作所)
・奥 彬((財)生産開発科学研究所)

司会・コーディネーター
・加茂 徹((独)産業技術総合研究所) (部会メンバー)

主旨

カーボンニュートラルな植物由来プラスチックは、環境に優しい新しい素材として注目されている。特に、最近ナノ粒子分散技術等を利用して耐熱性や透明性を飛躍的に高めることが可能になり、経済的にも石油系プラスチックの代替原料として実用化できる期待が高まっている。一方、貴重な食料である「でんぷん」を消費財として使用することの是非が問われている。また、プラスチック製造では原料よりもむしろ製造過程で多くのエネルギーが消費されているために植物由来原料を使用しても二酸化炭素削減効果は限定的であり、植物由来プラスチックは回収・リサイクルして初めてその特徴が生かせると言える。植物由来プラスチックを循環利用するには、既存のプラスチックの混入を防ぎ再生品の品質を確保するための新たな社会システムの確立が不可欠である。
本企画では、ポリ乳酸の持っている将来性を高く評価すると共に、問題点をLCA、エネルギー、食料、社会システム、倫理、の視点から議論する。

開催概要

今流行のポリ乳酸の実用性・将来性が議論された。ポリ乳酸は耐熱性、耐湿性透明度などが大幅に向上し、PCや携帯電話などの外装材として物性は実用可能な状態になった。しかし、価格は石油由来プラのまだ2倍以上するため、カーボンニュートラルだけでは汎用性に乏しいのが現状。ただ、ポリ乳酸自体は分解の制御が比較的容易なケミカルリサイクルに適した素材であるので、食料やアル燃料と競合しない、食品廃棄物や廃木材が利用できれば可能性が出てくる。循環型システムをエネルギー消費の観点から最適化するとともに、絶対量を減らす意識改革も必要ということになった。

講演発表資料

  1. 西田 治男氏 「再生可能資源材料:ポリ乳酸の循環利用について」  講演要旨  スライド
  2. 井上 雄三氏 「乳酸発酵による食品廃棄物からの乳酸回収と飼料化のコンバインドシステム」  講演要旨
  3. 近藤 和博氏 「植物由来プラスチックのリサイクル事業化について」  講演要旨
  4. 奥 彬氏 「植物由来プラスチックへの期待と問題点」  講演要旨  スライド

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