廃棄物資源循環学会 Japan Society of Material Cycle and Waste Management

縁の下のごみ物語

 縁の下のごみ物語

  

 C&G第11号のテーマは、「縁の下のごみ物語」です。ごみ、リサイクルを業としている人々とボランティアで取り組んでいる人々、そんな人々に焦点を当てています。

 し尿の汲み取り業、びん商、カマやん(日雇い労働者など)、産業廃棄物処理業、自治体、NPO法人、小学校、そしてリユース・リサイクルに取り組む市民。それぞれにそれぞれのごみ物語があります。さまざまな現場のさまざまな視点から、もう一度ごみについて考えていただければと思います。

 そのほか、市民団体の環境共育やリサイクルの取り組み事例や1年間のごみに関係するできごとのまとめ、また市民が選んだ市民に紹介したい論文の紹介なども掲載されています。是非ご一読ください。

  

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 お詫びと訂正 本誌の表記に一部誤りがありました。謹んでお詫び申し上げるとともに、以下のとおり訂正いたします。

 ・P.3(目次)とP.125
  [誤]たいら由比子 →[正]たいら由以子



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 【立ち読みコーナー】
  

 中身を試し読みされたい方のために、一部の記事を閲覧できるようにしましたのでご覧下さい。

  
 
 【目次】  市民がつくるごみ読本 C&G 第11号 廃棄物学会編集 


■ 学会からのメッセージ

廃棄物学会 学会長 武田信生

 無限の大きさを持った資源倉庫からものを取り出し、より便利、よりきれいなものを作り出し、そして無限の大きさを持った大地(シンク)に捨てる。より速く、より遠くへ、より高くへ、との思いが実現し、いつでもお湯が出る生活、夏でも汗をかかない、ふゆでも凍えない凍えない生活、誰もが夢見ていた生活が実現しました。...

巻頭インタビュー

農から世界が見える
【農民・詩人】 星 寛治
 山形県東置賜群高畠町。奥羽山脈の麓の盆地で、今から30年以上前に「有機農業の里」を目指した若者たちがいた。その中心的な存在であり、一貫して「農からの発想」を問い続けてきた農民・詩人、星寛治さんの話を聞いた。 ...
 

 

■ 第1部 稼業として支える

 
【ごみ文化研究部会】 石井 明男
 高杉さんに初めてお目にかかったのはNPO法人日本下水文化研究会の「し尿研究会(現在のし尿・下水研究会)の定例会であった。2001(平成13)年9月の定例会は高杉喜平・由栄さんご夫妻をお招きして、「汲取り一代記」とでも呼べるようなお話で出色であった。今回はこの高杉さんのお話を中心に当時の汲取り業をかえりみたいと思う。 ...
 
びん商からリサイクル・プロデューサーへ 
【合資会社 戸部商事】 戸部 昇
 空きびん商に生まれ、物心がついてからの遊び場といえばびんの倉庫。びんを数えるためにそろばんを習い、びんを運ぶために運転免許を取得。 生計の基盤はすべてびんに教えられてきた。びんの商いは中学生のころ、先代の手伝いから始まった。以来50年の歳月の中で、地域のごみ問題や環境問題にどのように関わってきたのか容器類を中心にして本稿でまとめてみることとする。...
 
[コラム]「びんは再使用するもんどすえ」 ―京都市の生きびん(リユースびん)回収事業 
【京都硝子壜問屋共同組合・(株)吉川商店】 吉川 康彦
 国内で生産される飲料・食品容器は年間800億本近くあり、そのうち750億本程度が使い捨て容器である。リユースびんは多く見積もっても年間50億本程度しか消費されず、その減少傾向は止まらない。...
 
 漫画「カマやんの野塾」の舞台を歩く ―日雇い労働の現場から 
C&G編集部
 大阪市、西成区、釜ケ崎。南にまたがる地域を特にあいりん(愛隣とも書く)地区という。越冬闘争や90年の暴動で、ぶっそうで怖いところというレッテルが貼られている。確かに、監視ビデオが町中に12個もあるなど、普通の町には見かけられない光景だ。しかし、三角公園で開催された「ほろ酔いコンサート」で加藤登紀子がアグラをかいて、お酒を飲みながら歌ったり、... 

■ 第2部 民(たみ)の力が頼りです

 
化学系廃棄物処理に取り組み35年
【(株)ハチオウ】 森 裕子・森 雅宣
 今号の「C&G」の特集"縁の下のごみ物語"の企画として、有害かつ処理の困難な化学系廃棄物の現場で永年苦労してこられたハチオウさんの話を伺うことになりました。これまでのご苦労や、先駆的に取り組んでおられる事例、さらにこれからの展望などもお聞きしたいと思います。... 
 
民間で担う最終処分場 
【大栄環境(株)】 吉村 東洋男
 遥か大昔、貝塚が利用されていた時代を思うと隔世の感があるが、ごみを地中に埋めるという行為そのものは今も健在である。現在に至る時代の流れとともにごみの処理も変化を遂げてきた。特に産業革命がもたらした量産システムにより飛躍的にごみの量も増加し、近年"ごみ革命"と呼んでもよいくらいその種類や処理方法も変貌を続けている...
 
廃棄物の受け皿・産廃処理業者さんに感謝
【兵庫県健康生活部環境管理局環境整備課】 築谷 尚嗣
 私たち産業廃棄物行政担当者の日常業務では、産業廃棄物処理業者の新規の事業計画や変更計画について、廃棄物処理法の基準に照らし、ここがまずい、ここはこうすべきといった非常に細かい点までやりとりを行っているので、処理業者の方にとっては、うるさい、やっかいな存在と思われているのではないだろうか。...
 
【(株)環境技研コンサルタント】 西川 光善
 平成18年度版「循環型社会白書(環境省編)」によれば、平成10年度から平成13年度にかけて毎年約1,000件の投棄件数であったものが、最近では減少し、平成16年度には673件となっています。投棄量は平成12年度までは約40万tであったものが、平成13・14年度には減少しましたが、平成15年度には74.5万t、平成16年度には41.1万tと報告されています... 

■ 第3部 縁の下(もと)で暮らす

 
生ごみはめぐる! 社会の中を、人の中を
【NPO法人 シティズンホームライフ協会】 小寺 悦子
 家庭から出る生ごみを回収して工場で堆肥化し、できた良質な堆肥を有機農業(自然農法)生産者に使用してもらうことで、おいしくて安全・安心な農産物を市民に届け、その環を広げることを活動の目的としている。...

 
東京都文京区窪町小学校・誠之小学校における ごみ減量の取り組み 
【誠之小学校 用務主事】 小長谷 忠春
 環境教育が盛んな今日、全国どこの学校でもリサイクル活動に取り組んでいると思います。しかし、それが必ずしもごみの減量に結びついていない実態があるのです。学校で出る紙ごみは、切り刻んだり、貼り付けたりしている紙が多く、清掃局の資源ごみの基準でみると、ごみとして捨てられてしまうのです。...
 
20年のリサイクル活動の実践で得たもの 
【消費者市民研究部会】 羽賀 育子
 今から20年前の1987(昭和62)年に、びん商の方から「一升びんがカレットにされ、ワンウェイびんとなってしまいそうでなので、消費者団体の皆さんも反対してください」と頼まれました。同時に、「どんなびんでも資源になるので、集めてくれれば取りに行きます」と言われたのをきっかけにびんの回収を始めました。... 

環境共育
 
環ッハッハ in よしじま ―ごみを身近にする、地域に愛されるお祭りづくり
【未来の子】 大西 康史
 2006(平成18)年10月8日、広島市中工場(清掃工場)でごみを身近にするお祭り、第3回「環ッハッハ in よしじま(以下、環ッハッハ)」が開催されました。"環ッハッハ"は、普段敬遠されがちな清掃工場を人々が集う場所とするものとして、また、地域を明るくするものとして、注目される存在となっています。...
 
【NPO法人 環境教育21の会】 塩野 勝
 1999(平成11)年に設立された"環境21の会"は、当初、循環型農業の研究に取り組んでいたが、食物残渣から作られた堆肥で、山土の畑が良好な耕地に変わるという経験をし、その喜びを次の研究テーマに引き継いだ。 当時、非木材系製紙原料として注目されていた「ケナフ」を改良された耕地の周りに植えてみたところ、驚異的な速度で成育し美しい花を咲かせて、栽培に携わった会員たちに大きな活力を与えてくれた。...

 
今年1年間のできごと
【ひのでやエコライフ研究所】 鈴木 靖文
 さおだけ屋はなぜ潰れないのか尋ねられても、よく分からないが、さおだけ屋以上に町中をよく走るようになった家電回収車は、きっと回収した家電をどこかに売って儲けているのだろうと予想できる。しかし、どこでどのようにリサイクルされているのかは、大きな謎である。...

■ 学会からの報告
 
  2006(平成18)年の活動状況
 
■ 学会からの発信
 
 平成18年度研究発表会開催地レポート
 
産官学と市民が連携してエコタウンに変身した北九州市
【ゾネ・フラウ環境研究所】 池田 由起
 平成18年度の廃棄物学会研究発表会が開催された北九州市は、1963(昭和38)年に門司・小倉・八幡・若松・戸畑の5市が合併し、九州初の100万年として生まれました。市の中心部にある洞海湾と、筑豊炭田の豊かな石炭を背景に、明治以来、製鉄・化学・窯業・セメントなどの重化学工業の工場が林立する北九州工業地帯を中心に発展してきました。しかし、その一方で「七色の煙」と煤塵が降る「灰色の街」といわれ、工場廃水が集中した洞海湾は「死の海」と呼ばれていました。...
 
九州支部の取り組み「市民フォーラム」について
【九州支部市民フォーラム部会】 真次 寛
 『C&G』の読者の皆様こんにちは。皆さんは誰もが、「自分のすんでいる地域を良くしたい」と考えられていると思います。九州の廃棄物学会の活動をしている研究者や実務者も、それぞれ、そのように考えています。また、廃棄物に関する研究や実務の面では、「循環型社会の構築」を、いかに進めていくかということが、当面の重要な課題となっていますが、具体的に「循環」を進めようとすると、地域の特性や市民・事業者の理解が得られる提案が求められています。...
 
「ラブ・フォレストプロジェクト」|〜紙おむつリサイクルとファッションショー〜
【ラブ・フォレストサポート倶楽部】 中園 輝幸
 高齢化社会そして廃棄物問題に直面している21世紀は「循環型社会の構築」が急務となっています。こうした中で、(財)福岡県産業・科学技術振興財団の産学官共同研究開発事業の一つとして福岡大学工学部 松藤康司教授が全国に先駆けて「ラブ・フォレストプロジェクト」として研究開発に取り組まれました。これは、わが国初の使用済み紙おむつのリサイクルシステムで、平成17年度産学官連携で実用化を達成することができ、わが国初の紙おむつリサイクル工場が大牟田で稼動しております。 ...
 

 
研究発表会小集会の報告より
 
家庭から出る有害ごみをどうしたらよいのか? 
【京都府立大学】 山川 肇
 あなたの家庭では、バッテリーや消火器がいらくなったらどうしていますか? 殺虫剤や塗料が残ってしまったときはどうされるでしょうか? こうしたごみは多くの自治体ではごみ収集に出してはいけないもの(以下、排出禁止物)に指定されています。しかしながら、買ってしまったものはいずれは廃棄なり、リサイクルなりしなければなりません。いったい、どうしたらよいのでしょうか。...
 
 

研究発表会講演論文の紹介
 
市民に紹介したい! 講演論文
【ごみを考える市民】 中院 彰子
【拡大生産者責任とデポジット制度の制定を求める全国ネットワーク】 中井 八千代
 学会の研究発表会で発表された論文から、市民に伝えたいと思ったもの、今までC&Gで伝えた情報に継続して伝えたいものなどを伝える。
・粟屋かよ子・高橋正昭・井岡幹博・武本行正「大谷知・平津地内産業廃棄物不法投棄の敬意と住民の住民対応」
・車 佳、劉 庭秀k「中国における自動車リサイクルシステム構築の必要性」
・板 明果、高瀬浩二、近藤康之、鷲津明由「食に関するライフスタイル変化の環境影響評価:WIO分析の応用」
・李 松林、安田八十五「自治体における容器包装リサイクル費用の測定とEPR導入可能性評価」
 

 
研究発表会市民展示会 エコ・テクノ2006展示会報告
 
  「堆肥でつながるコミュニティ」循環生活研究所
【NPO法人 循環生活研究所】 たいら由以子
歩く森の事業〜紙をもとの木へもどそう
【ペパ(株)】 加来 睦博
「生ごみを宝に!」伊万里はちがめプランの取り組み
【NPO法人 伊万里はちがめプラン】 福田 俊明
 

 
ブックレビュー
 森 剛 著『目からウロコ 自動車リサイクルでみんなが得する本』
【ごみを考える市民】 中院 彰子
 戸部 昇 著『リターナブルびんの話 ―空きびん商百年の軌跡―』
【Rびんプロジェクト】 西村 優子
 星 寛治 著『耕す教育の時代』
【NPO法人 市民環境研究所会員】 水口 保
 ありむら 潜 著『カマやんの野塾 ―漫画 ホームレス問題入門』
【ごみを考える市民】 中院 彰子
入会のご案内
バックナンバーのご案内
 
表紙イラスト/オーシロ カズミ


  市民がつくるごみ読本 C&G 第11号「縁の下のごみ物語」
  発行年月日:2007年3月31日
  編集・発行:廃棄物学会 発売元:株式会社 教材研究所


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