第20回廃棄物学会研究発表会
 リサイクルシステム技術研究部会 企画セッションプログラム
              2009年9月18日(金)  13:15〜14:45
                 名古屋大学 東山キャンパスIB館2階 大講義室


 講演 & パネルディスカッション
  プラスチックリサイクルの最新課題

 パネリスト
早田輝信 【(株)テルム】(部会メンバー)
加茂 徹 【(独)産業技術総合研究所環境管理技術研究部門 主任研究員】(部会メンバー)
山脇 隆【プラスチック処理促進協会】(部会メンバー)

  



 コーディネーター
松藤敏彦 【北海道大学 教授】(部会長)


 次第

1,挨拶・趣旨説明 松藤 敏彦【北海道大学】(部会長) 13:15-13:25

2,第1部 講演  座長松藤 敏彦【北海道大学】(部会長)
   1)家電シュレッダーダスト選別の最新動向 早田輝信 【(株)テルム】(部会メンバー) 13:25-13:45
   2)ケミカルリサイクルの将来性は? 加茂 徹 【(独)産業技術総合研究所】(部会メンバー) 13:45-14:05
   3)プラスチックリサイクルの現状と課題 山脇 隆【プラスチック処理促進協会】(部会メンバー) 14:05-14:25

3,パネルディスカッション 14:25-14:45


1.要約
リサイクルシステム・技術研究部会では、2002〜2006年の部会活動を総括し、書籍『プラスチックリサイクル入門-システム・技術・評価-』を出版した。これをベースに、部会メンバーから最新の話題提供として3本の講演を行い、続いて、会場からの質疑を含め、講演者をパネラーとしてパネルディスカッションを行った。

2.講演1 家電シュレッダーダスト(SD)選別の最新動向 (株)テルム 早田輝信
 プラスチックの選別・異物除去の徹底と、物性を確保する調質技術の2つの技術進歩が家電リサイクルにおけるプラスチックの水平リサイクルを可能にした。この技術を応用し、SD中のプラスチックリサイクルが試みられ、高感度選別技術開発が進みつつある。
 選別技術の課題としては、検出器の感度は高いが、エアジェットによりプラスチックを選り分ける際、粒子の大きさや形が揃っていないと分離精度が落ちる点である。
 システムの課題としては、高度に選別されたプラスチックの市場を形成し価格を安定させることと、設備が重複しているバリューチェーンを見直すことによるコストダウンである。

3.講演2 ケミカルリサイクル(CR)の将来性は? (独)産業技術総合研究所 加茂 徹
 わが国でCRが実用化されているのは容リ法のプラスチックである。CRの特質として、石油化学工業と同等の設備を要するため装置が高価で、金属リサイクルに比べてエネルギー的に不利な点が挙げられる。コークス炉による化学原料化向けが多いのは、減価償却が終わった大規模な設備を利用できるからである。容リ法が始まった頃に比べて再資源化のための入札価格が低下したため、相対的に運送料の割合が大きくなり、遠くから容リプラスチックを輸送することが不利になり地産地消の傾向が強まっている。不純物が少なく高品質な廃プラに対してCRは有効な処理方法の1つであり、既存施設を有する石油精製所の協力が期待される。また、化学プラントを安定に運転するためには、単年度毎の入札では無くもう少し長期の契約が不可欠と考えられる。

4.講演3 プラスチックリサイクルの現状と課題 プラスチック処理促進協会 山脇 隆
 容リ法で認められている再商品化手法は材料リサイクル(MR)、ケミカルリサイクル(CR)、RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)である。現状を整理した上で課題として、RPFを含むサーマルリサイクル(TR)が正当に評価されるべきこと、MRの優先入札制度が高コスト化を招いていることを指摘した。環境負荷や経済性を検討し、単一素材でまとまった量が排出されるものはMR、その他はCRやTRに向ける等の合理的な考え方の導入を提案した。

5.パネルディスカッション コーディネーター 松藤敏彦
参加者は約150名で会場からのパネラーへの質疑応答も盛大であった。


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