2011研究発表会企画セッション
第22回廃棄物学会研究発表会 リサイクルシステム技術研究部会 企画セッション
講演 & パネルディスカッション
未利用資源からの電力・エネルギー回収
2011年11月4日(金) 10:45~12:15 東洋大学 B棟1階B112講義室(第2会場)
震災・原発事故の後、各地・業界において節電が推進(義務化)されている。ここでは、主に食品系の未利用資源を対象として、電力を中心としたエネルギー回収の事業化及び技術開発の動向を調査・検討する。
プログラム
1.開会挨拶 行本正雄(中部大学) (部会長)
2.研究報告
- 秦 三和子*(エックス都市研究所) 「食品廃棄物の現状と発生抑制」
- 稲葉陸太*((独)国立環境研究所) 「将来の食品廃棄物のリサイクルの展望」
- 加茂 徹*((独)産業技術総合研究所) 「食品廃棄物からの発電・エネルギー回収」
- 藤井 実*・倉持 秀敏((独)国立環境研究所) 「未来のエネルギー利用」
*部会メンバー
3.パネルディスカッション
パネリスト
- (株)市川環境エンジニアリング 中新田 直生氏
- (独)国立環境研究所 倉持 秀敏氏
- 中部大学 行本 正雄氏
- (独)国立環境研究所 稲葉 陸太氏
- (独)国立環境研究所 藤井 実氏
コーディネーター
- (株)エックス都市研究所 秦 三和子
配布資料 「」 (部会報告書)
要旨
リサイクルシステム研究部会の特別シンポジウムは、第22回廃棄物資源循環学会研究発表会の2日目(11月4日)午前10時45分から、東洋大学白山第2キャンパス第2会場(B112教室)で開催されました。およそ150人の方が参加し、事前に作製した資料(150部)は全て配布して無くなりました。震災関連のシンポジウムが多い中、敢えて全く関連のない「廃食品からのエネルギー回収」をテーマに選択したにも関わらず多くの参加者が集まり、バイオマスの有効利用とエネルギー利用の効率化に多くの方の関心があることを改めて実感させられました。
特別シンポジウムでは、初めに配布資料を作成したリサイクルシステム技術研究部会メンバー4人と国立環境研究所の倉持室長が担当した(1)食品廃棄物の現状と発生抑制、(2) 将来の食品廃棄物のリサイクルの展望、(3) 食品廃棄物からの発電・エネルギー回収、(4) 未来のエネルギー利用についてそれぞれ20分ずつ説明を行いました。現在の日本において食用農産物は9100万トン生産され、2200万トンが食品廃棄物として排出されている。食品を廃棄する主な原因は、食品取引における既存の商習慣や消費者への過剰なサービスにあると指摘されました。食品廃棄物の発生場所(山間、農村、都市)は我々の生活スタイルによって変化し、「ゆとり重視」と「効率重視」の2つのシナリオを用いて将来予想が示されました。具体的なエネルギー利用例としてBDFとメタン発酵が示され、BEFでは品質と標準化、メタン発酵では発酵残渣の処理が課題であることが指摘されました。また今後バイオマスをエネルギー資源として有効利用するには、発電だけでなくガスやバイオコークス等として使用することも重要であることが示されました。パネルディスカッションでは、市川環境のバイオエナジーの詳細な紹介と今後のエネルギー利用の方向性が活発に議論されました。