Japan Society of Material Cycles and Waste Management アクセス English
一般公開企画のご案内

一般公開企画のご案内

廃棄物資源循環学会 第27回研究発表会の企画のうち、学会員以外の方でも無料で参加できる企画です。
皆様のご参加をお待ちしています。

会場:和歌山大学(和歌山市栄谷) 和歌山大学への徒歩での経路  和歌山大学の学内の地図


 

特別講演「心のごみのリサイクル」 紀三井寺 副住職 前田泰道 氏

 毎日のように事件が起き、ニュース番組の題材は尽きません。紀三井寺副住職・前田泰道氏
 この卓話要旨を書いている2016年7月半ばに振り返っても、タレントのT・Nが覚醒剤取締法違反の疑いで愛人とともに逮捕(6月24日)。「泣き止まずイライラした」と生後2ヵ月の長女に暴行、18歳の父親逮捕(7月5日)。バングラデシュのテロ事件で日本人7名殺害(7月6日)。
 仏教ではこれらは順に、むさぼり(貪欲)、怒り(瞋恚)、間違った思い込み(愚痴)のなせる業と考えます。そして、ニュースを見る側のわれわれもまた、貪・瞋・痴の三毒煩悩とは無縁ではいられず、たまたま世間を騒がさずに済んだとしても、たっぷりと悩み、苦しむことになります。
 これら三毒煩悩は「心のごみ」といってもよいのでしょうが、生きている限り生み続けざるを得ないこれら心のごみと、どう向き合うのか、どうリサイクルするかによって人は、「心の敗残者」にも、「心の勝利者」にもなり得るのです。

● 日 時: 9月28日(水) 15:30 ~ 16:50
● 場 所: 基礎教育棟 G101

<講師紹介>
1958年 和歌山県生まれ
1982年 京都大学文学部仏教学科卒業
紀三井山金剛宝寺護国院(紀三井寺) 副住職
和歌山キワニスクラブ顧問
NPO法人「西国古道ウォーキングサポート」顧問氏は紀三井寺の僧侶のお立場で、マスメディアへのご出演や、地域の団体、研修会等で講師を務められるなどの機会を通じて、ご講話・ご説法を説かれ、社会に向けて積極的に発信されています。
また、世界的な社会奉仕活動団体のキワニスクラブの和歌山支部の顧問を務められており、社会貢献活動の推進に取り組まれています。

紀三井寺(きみいでら)は、西国三十三国所第2番札所の観音霊場で、「ふるさとを はるばるここに 紀三井寺 花の都も 近くなるらん」のご詠歌で知られています。
寺城は、和歌山県和歌山市の南部、熊野街道沿いに、名草山のふところに抱かれ、境内から望む「和歌の浦」は絶景です。又、近畿地方、本州に春の到来を告げる「早咲き桜の名所」として知らせています。紀三井寺という名称は、山内に三つの井戸(わき水)がある寺“三井寺”に紀州、紀の国の頭字「紀」を冠して呼び慣わされてきた名前です。
(http://www.kimiidera.com/)

 

市民展示 「生物多様性の4つの危機と3R」

 近年、マイクロプラスチックをはじめとする海ごみの生物への影響が大きな問題となり、関心が高まっています。一方、日本は世界の生物多様性保全上、非常に重要な地域の1つであり、外来種の駆除活動なども行われていますが、捕獲生物の処分・利用が問題となるなど、生物多様性保全分野と廃棄物・資源循環分野の協力が必要な状況が生まれています。
 そこで今年度の市民展示では、「生物多様性の4つの危機と3R」をテーマに掲げました。そして、自然保護・生物多様性分野、ごみ・3R分野、温暖化防止分野で取組む市民・団体等の方にお願いして、日頃の活動内容をパネルなどの展示物によりご紹介いただきます。メインタイムを中心に、各団体の方も多数ご参加いただきますので,ぜひご来場いただき、情報交換や交流の場としていただければ幸いです。

● 日 時: 9月27日(火) 10:45 ~ 18:00
       9月28日(水) 9:30 ~ 18:15
      (下記、市民フォーラム直後の時間には、ほぼすべての団体の方がおられて、交流することができます)
● 場 所: システム工学部 B棟1階
● テーマ: 生物多様性の4つの危機と3R
● 展示団体名と企画タイトル:

団体名 企画タイトル
尼海の会 尼崎の海と大地をつなぐ命の循環 ~尼崎の海への恩返し~
環境・国際研究会 マイクロプラスチックとは何?
日本ウミガメ協議会 ウミガメを保護するための活動の紹介
セイラーズ・フォー・ザ・シー×エコ~るど京大 海洋資源を守り育てるために、美味しい「ブルーシーフード」を
未来につなぐ虹の会 里山の竹林を整備し、竹を生活に活かす~子ども達とともに
NPO法人 自然回復を試みる会・ビオトープ孟子 子どもたちと育む生物多様性
和亀保護の会 地域で取り組むアカミミガメ防除~捕獲から死体の有効利用まで~
琵琶湖を戻す会 琵琶湖での駆除活動を通して外来魚問題の啓発活動を行っています
わかやま地域植物緑化研究会 外来種による生態系のかく乱を防ぐリサイクル緑化
木の国エコリレー推進協議会 消費行動から和歌山の森に還元するエコシステムづくり
NPO法人 わかやま環境ネットワーク 県内の循環型社会活動への支援
御坊・印南・南部対策協議会 燃えない炭が地球を救う
エコランドいと・はしもと(伊都橋本地球温暖化対策協議会) 親子で学ぼう!地球の未来のために~「橋本エコロジー学園」~
エコネット紀南(紀南地域地球温暖化対策協議会) 梅剪定枝熱利用循環システム
紀州大地の会 地元有機残さ活用の肥料・抑草剤による有機水稲栽培20年目の総括!
和歌山県生活学校連絡協議会
・和歌山市生活学校連絡協議会
食品ロス削減等の資源循環をめざした実践的取り組み
東洋台浜木綿(はまゆう)クラブ 資源集団回収による循環型社会の構築
環境学習施設を考える会 リサイクルプラザや焼却工場付設啓発施設の情報交換の場を設立
3R・低炭素社会検定実行委員会 今年は11月に開催! 3R・低炭素社会検定のご案内
廃棄物資源循環学会消費者市民研究部会 2Rと世界のごみ事情~2R作品・ごみ箱写真・C&G/循環とくらし

 

市民フォーラム 「生物多様性と循環」(消費者市民研究部会 共催)

 和歌山大学の中島敦司先生より基調講演をいただくとともに、市民展示に出展いただいた団体の方に、展示内容・活動内容をご報告いただきます。ただしフォーラムではそれぞれ短時間の紹介にとどめ、詳しくは市民展示会場に移って、情報交換・交流をしていただければ幸いです。

● 日 時: 9月27日(火) 13:15 ~ 14:45
● 場 所: 第6会場(システム工学部 B棟1F B101)
● 企画内容(敬称略)
 ・ 基調講演「自然再生におけるリサイクルというもの」
   和歌山大学 中島 敦司
 ・ 市民団体・活動報告
   上記、市民展示に参加する各団体からの発表


 

特別セッション1「PCB処理の経緯と処理完遂への展望 -改正PCB特措法の施行を受けて-」

 2001年に制定されたPCB廃棄物特別措置法のもと、高圧トランス・高圧コンデンサ・蛍光灯安定器等のJESCOによる広域PCB処理や、柱上トランスの電力会社による自社処理が進められている。POPs条約の定める処理期限である2028年に向けて講ずるべき諸政策を含めた特措法改正が2016年4月に行われた。この施行がなされる処理対象のPCB廃棄物は、法施行後に存在が判明した微量PCB汚染油を含む電気機器やOFケーブルに広がり、無害化処理認定制度を活用して処理が進められている。また、2012年には、一部の顔料に非意図的に生成するPCBが含まれることが明らかとなり、50 ppm を超える製品の回収・処理が行われ、リスク評価(2013年3月)や、BAT基準設定に向けた検討(2015年4月報告書案)がなされている。海外では建材に含まれるPCBからの揮発等による室内PCB汚染が問題となっており、国内においてもPCB保管庫の壁面等についてリスクの程度の把握等が必要と考えられる。本セッションでは、PCB廃棄物処理事業を進める上で遭遇した種々の課題とその対応策を報告いただき、今後生じうる課題への対処方法を探っていきたい。

● 日 時: 9月28日(水) 9:30 ~ 12:30
● 場 所: 基礎教育棟 G101
● プログラム(敬称略):
  1. 地球環境規模でみたPCBの存在と課題
    愛媛大学 高橋 真
  2. PCB保管過程におけるPCBの存在と挙動
    京都大学 平井康宏
  3. PCB廃棄物特別措置法の改正
    環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課 中尾 豊
  4. JESCOでの広域PCB処理
    JESCO 由田 秀人
  5. 使用中機器の掘り起こし調査について
    大阪府環境農林水産部 児林 宏之
  6. 低濃度PCB処理技術
    産業廃棄物処理事業振興財団 長田 容
● 司会進行: 京都大学 酒井 伸一


 

特別セッション2「海面最終処分場の課題と役割 -フェニックス事業を題材として- 」

 最終処分場は、重要な社会インフラである。中でも大阪湾広域臨海環境整備センター(大阪湾フェニックス)のように、多数の自治体が共同して利用する場合には、関係者相互の信頼関係が大切である。しかし、2014年に複数箇所でみられたダイオキシン類受入基準超過の事案は、設立当時の緊張感に弛みが出ていることを伺わせるものであり、信頼関係の瓦解を招いた。以来、これに対応すべく、重層的な検査体制を構築し、分析方法については迅速さらには低廉な簡易測定を使用して、スクリーニング的にダイオキシン類の受入基準の適否を確認している。このことは、多くの関心を集めるところである。
 一方、海面最終処分場が供用されて30年以上が過ぎ、学術的な知見も蓄積されてきた。最終処分場の仕組みとその中で起こっていることについて、広く関係者が知るべき事項も明らかになってきた。このセッションでは、受入検査と海面最終処分場のあり方を通して、「共通の大切なインフラ」の意識をあらためて共有し、持続可能な廃棄物処理・資源循環につなげようとするものである。

● 日 時: 9月28日(水)13:45 ~ 15:15
● 場 所: 基礎教育棟 G101
● プログラム(敬称略):
  1. 趣旨説明
    大阪工業大学 渡辺 信久
  2. フェニックス事業の概要及び廃棄物の受入体制について
    大阪湾フェニックスセンター 尾川 毅
  3. 焼却灰・焼却飛灰中ダイオキシン類生物検定の技術的側面について
    (国研)国立環境研究所 鈴木 剛
  4. 最終処分場における物質変換と安定化について
    北海道大学 東條 安匡
  5. 海面最終処分場の構造・管理そして役割
    (国研)国立環境研究所 遠藤 和人
  6. 排出事業者としての取組 (討論のみ)
    和歌山市 和田 年晃

 

ページの先頭に戻る