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2018.9.12 第29回廃棄物資源循環学会研究発表会 災害廃棄物研究部会企画セッション開催報告

2018.9.12 第29回廃棄物資源循環学会研究発表会 災害廃棄物研究部会企画セッション開催報告

テーマ:廃棄物資源循環学会に求められる災害廃棄物対策支援とは何か?~災害廃棄物部会の発足にあたって~

開催報告

2018年9月12日に第29回廃棄物資源循環学会研究発表会(名古屋大学)において、災害廃棄物研究部会企画セッション「廃棄物資源循環学会に求められる災害廃棄物対策支援とは何か?~災害廃棄物部会の発足にあたって~」を開催しました。約70名の参加がありました。

登壇者

司会進行:多島 良(国立環境研究所)

代表挨拶:浅利 美鈴(京都大学)

1. 東日本大震災:小林陽一(㈱エックス都市研究所、元 仙台市)、浅利 美鈴(京都大学)

2. 熊本地震:廣畑 昌章(熊本県)、小宮 哲平(九州大学)

3. 九州北部豪雨 上村一成(朝倉市)、鈴木 慎也(福岡大学)

概要

パネルディスカッション形式で、「専門家からの支援を受けて良かったこと」について議論が行われた。パネリストからは、災害廃棄物であっても分別・リサイクルする必要があるという提言を受け、結果的にそれが数年分の一般廃棄物発生量に相当する膨大な災害廃棄物の適正かつ迅速な処理につながったこと、仮置場の適切な設置、運営方法について助言を受けられたこと、危険物の処理や火災防止について有益な助言が得られたこと等が挙げられた。

一方で「災害時に専門家からの支援を受けた際に困ったこと」として、災害初期時には自治体職員のマンパワーが足りず、受け入れのための準備や調整そのものが難しいことや、有益な助言を受けてもそれに対応する余裕がないこと等が挙げられた。また中小規模の自治体にとっては、専門家からどのような支援をうけることができるのかが分からず、ようやく支援して欲しいことが明らかになったときには、専門家の派遣期間が終わってしまうという問題点が指摘された。また、現地のニーズと専門家が提供できる支援をコーディネートする役割が重要ではないかとの指摘があった。

最後に「平時および災害時に専門家に期待したいこと」について議論が行われた。パネリストからは、水害時に発生する土砂混じりの廃棄物の省庁間の枠を超えた効果的な処理スキームを研究して欲しいという意見や、発災時における効果的な支援人材の活用方法を提案して欲しいという意見が出された。また、発災直後に実施すべき業務のシミュレーションを行うような中小規模自治体向けの研修を検討してはどうかという意見も出されていた。

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