(新企画3)3.ごみ処理施設の基本 ②リサイクル施設について
リサイクル施設とは、資源を有効に活用するために処理を行う施設です。
施設によって、リサイクルプラザ、リサイクルセンター、マテリアルリサイクル施設等、さまざまな名称がつけられています。
こちらでは一般的な処理の流れについて紹介します。
リサイクル施設では、図に示すとおり、再生工場等に運んで再生するための前処理や中間処理として、不燃ごみや粗大ごみから鉄やアルミを取り出したり、運ばれてきた資源を一時的に分別保管したり、再生工場に運びやすくするためにつぶしてブロック状に固める圧縮梱包等を行っています。
これらの処理を行ったあと、再生原料や再生製品をつくる民間の工場に運ばれていきます。
中間処理を行う施設によって、取り扱う資源の種類は異なります。
おもな資源と中間処理の方法はつぎのとおりです。
①鉄・アルミ
不燃ごみや粗大ごみ等から、おもに鉄とアルミを取り出します。
鉄やアルミは、トラック等で処理施設に運ばれてきます。
運ばれてきた不燃ごみは、プラットホームで広げられ、そこから手作業で鉄製品等を取り出したり、破砕機で細かく砕いたあとに磁石の力を使って取り出したりします。
下の写真は、破砕機で細かくした不燃ごみ等から取り出した鉄とアルミです。
取り出した鉄やアルミは、トラックで民間の再生工場に運ばれ建築資材等にリサイクルされます。
ご家庭では製品の表示等をよく見て、自治体のルールに従って出してもらうと、効率よくリサイクルができます。
▲破砕鉄、破砕アルミ
出典:一宮市リサイクルセンター
②ペットボトル
汚れてしまってリサイクルできないペットボトルを取り除き、きれいなペットボトルをつぶしてブロック状に固めます。
ペットボトルは中が空洞で軽いため、つぶしてかたまりにすることで、一度にたくさんの量を再生利用する民間の工場に効率よく運ぶことができます。
ご家庭では自治体のルールに従って、中の汚れをさっと洗ってごみを出してもらうと、汚れたものが混ざり品質が悪くなることがなくなり、効率よくリサイクルができます。
また、キャップとラベルを分けて出すルールの場合は、正しく分けると民間の再生工場に運ばれたあとの手間が減ります。
分ける理由は、キャップとラベルと本体で材質が異なるためです。
▲さまざまな形のペットボトル
出典:日本容器包装リサイクル協会
▲民間の再生工場に運ばれてペレット状に加工されたペットボトル
出典:日本容器包装リサイクル協会
③プラスチック製容器包装
汚れてしまってリサイクルできないプラスチック製容器包装を取り除き、きれいな容器包装プラスチックをつぶしてブロック状に固めます。
容器包装プラスチックは軽くていろいろな形のものがあるため、つぶしてかたまりにすることで、一度にたくさんの量を再生利用する民間の工場に効率よく運ぶことができます。
④ビン
汚れてしまってリサイクルできないビンを取り除いたあと、ビンの色ごとに選別をして、再生処理をする民間の工場に運びます。
ご家庭では、自治体のルールに従って出すことや中の汚れを軽く洗ってからごみを出すことが大切です。
▲ガラスびんは色ごとにリサイクルされます
出典:日本容器包装リサイクル協会
⑤カン
汚れてしまってリサイクルできないカンを取り除いたあと、きれいなカンをつぶしてブロック状に固めます。
缶は中が空洞なので、つぶしてかたまりにすることで、一度にたくさんの量を再生利用する民間の工場に効率よく運ぶことができます。
缶はアルミ製とスチール製があるため、リサイクルしやすいように材質ごとに選別の作業を行います。
選別をするときには、鉄は磁石につく性質を利用します。アルミは、高速で磁石を回転させたときに発生する渦電流を利用して反発させて選別します。
その後、再生処理をする民間の工場に運びます。
▲スチール缶とアルミ缶を選別したあと、ブロック状に固めたもの
出典:一宮市リサイクルセンター 展示品
こちらでは、リサイクル施設に関する説明を行っています。
こちらでいうリサイクル施設は、一般廃棄物のうち、不燃ごみ、粗大ごみから鉄やアルミを取り出す工程、集められた資源を一時的に分別保管したり、運搬しやすいように圧縮梱包する工程などについて説明をしています。
詳しい事例は、一宮市リサイクルセンターにまとめられているので、合わせてご覧ください。
前処理や中間処理を行うリサイクル施設は、施設によって呼び方が異なり、リサイクルプラザやリサイクルセンター、マテリアルリサイクル施設などさまざまな表記があります。
リサイクル施設で、取り出したり、運びやすくブロック状にした資源は、民間の再生原料を製造する工場や再生原料から再生製品を製造するメーカー等の工場に運ばれていきます。
効率よくリサイクルを行うためには、家庭での正しい分別協力が大切になります。
また、リチウムイオン電池などの発火事故につながる危険物の混入を避けることも重要です。
正しい分別により、リサイクル率も向上し、燃やして処理をするごみや埋め立てるごみの量を減らすことにもつながります。
ご家庭や学校でも、リサイクルのしくみや流れを見ていただき、分別の必要性について理解を深めていただくために、本ページをご活用いただければと思います。