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POPs関連研究調査公募の選考結果について
 

POPs関連研究調査公募の選考結果について

POPs関連研究調査公募の選考結果について

本年5月1日~6月30日に募集を行った「POPs関連研究調査公募」につきましては、ご応募ありがとうございました。ご応募いただいた研究調査の申請につきましては、専門家による審査結果に基づき、POPs関連記録編集検討会において選考結果をとりまとめ、学会理事会での承認を経て、このたび以下のとおり決定しました。

これらの研究につきましては、今後(本年9月~来年8月までの1年間)の研究成果について、廃棄物資源循環学会論文誌等の学術誌に総説論文又は原著論文(英文論文としての取組を歓迎)として投稿いただく予定(査読論文としての掲載を目標)となっております。世界的に発信できる成果を期待しております。

 

申請者 研究課題 審査コメントの総括 助成額
倉持秀敏(国立環境研究所・副領域長)
松神秀徳(国立環境研究所・主幹研究員)
廃棄物等の熱処理におけるPFASの挙動解明に関する研究 廃棄物の熱処理におけるPFASの分解挙動に焦点をあて、副生成PFASの存在を視野に入れ、熱分解特性実験を含めた研究提案であり、また、分解だけでなく、揮発など広範な内容をレビューするものである。PFASの熱的挙動は今も不明な点が多く解明が急がれる課題であり、これまでの豊富な知見から課題を明確にした上で実測を含めて多角的に検討し、現実とのギャップを埋めようとする提案は高く評価でき、世界的な先端的知見に繋がる可能性がある。すでに申請者の研究グループは多くの研究成果を出しており、積極的に採用すべきと思われる。 500千円
小柴絢一郎(京都大学・研究員)
平井康宏(京都大学・教授)
PFAS環境排出量推定におけるフッ素化ポリマーの寄与評価 研究的取組みの少ないフッ素化ポリマーに焦点をあてた研究提案で、その分解から生成し、環境中へ排出されるPFASの量的な推定を行うものである。単なるレビュー研究ではなく、広範な文献調査とともに、統計データを用いてサブスタンスフローを表し、新たな視点で解析してモデル化につなげようとするものであり、革新性や独自性の観点から優れた研究提案である。フッ素化ポリマーからのPFAS分解生成やその結果としての環境排出量の見積りに繋がる知見の蓄積が期待される。 500千円
橋口亜由未(岡山大学・助教)
多田悠人(京都大学・助教)
越後信哉(京都大学・教授)
廃棄物処分場放流水中PFASの脱フッ素手法提案のための文献学的研究 社会的関心の高い廃棄物処分場放流水を対象に、主として電気化学及び紫外線手法によるPFAS処理に関する研究レビューを実施する研究提案であり、どういったPFAS対策手法が有効か、既報の学術的知見が整理されて有望な方向性についての総説的見解が期待できる。主たる対象の電気分解と紫外線処理について、分解条件の早い明確化が望めることから、今後の処理方法を確立していく上で意義のあるものであるが、手法を絞っている分深いレビューが求められる。文献レビューだけでどこまで解明できるかは課題であるが、申請者自身関連した研究を進めていることから成果は期待される。 500千円
藤森 崇(龍谷大学・教授) PFASの熱処理による分解特性に関する知見動向 PFASの分解特性に重きを置いて、熱処理に関する研究レビューを実施しようとするものであり、研究意義が認められ、申請者の研究実績からも成果が期待できる。熱処理に伴うPFASの分解率の定量的評価の可能性と限界に焦点をあてていることは、直接的な政策貢献として期待できる。副生成PFASの発生挙動に焦点をあてたレビュー方針も的確であるが、研究提案における研究目標設定のための既報サーベイが十分でない。 400千円

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