日本水環境学会:第23 回市民セミナー「黄砂と共に飛来する越境化学物質-水環境と健康に対する影響を考える-」
微小粒子状物質(PM2.5)の中国からの飛来報道以来、越境汚染に対する関心が高まっています。日本には、偏西風によって黄砂、光化学スモッグなどの化学物質、鉛、カドミウムなどの有害重金属が運ばれ、これらの汚染物質は大気を汚染するだけでなく、雨や雪といっしょに地表に落ちて、土壌や湖、河川も汚染します。
PM2.5については、2009年9月9日に環境基準が定められたことから、大気汚染防止法第22条に基づく常時監視として測定されることとなりました。花粉が10~100 μmであるから花粉症マスクでは通過してしまうほど小さな粒子です。日本ではアジアからの越境汚染が増大しPM2.5の環境濃度にも大きな影響を与えています。離島や山岳域での観測、地上観測ネットワークデータや衛星観測データの解析などによって汚染の由来を解析するとともに、化学輸送モデルを使って越境汚染影響を評価することによって、その実態の一部が明らかになりつつあります。
世界保健機関によると、大気汚染に関連する健康影響は、短期曝露影響と長期曝露影響に分けられ、PM2.5については、総死亡、循環器疾患死亡といった死亡のほか、入院、救急受診、虚血性心疾患等の心血管イベントの発生、不整脈、心拍数の変動、虚血性の症状出現、肺機能の低下等と関連すると報告されています。なお、日本へ飛来する黄砂の粒子の大きさは4 μm付近のものが多く、一部2.5 μm以下の微小な粒子も含まれているため、PM2.5の測定値も上昇することがあります。黄砂が輸送される過程で、大気汚染物質の発生が多い地域を通過する場合、これら大気汚染物質とともに飛来することもあります。本市民セミナーでは、黄砂の越境移動による水環境への影響と健康への影響についての最新情報を市民の皆さんに対して提供し、知見を共有することを目的とします。
なお、テレビ会議方式により、通信ケーブルで繋いで東京と大阪で同時に開催します。
■主 催: (公社)日本水環境学会
■日 時: 2014年8月8日(金)9:45~16:35
■場 所: 東京会場:地球環境カレッジホール(いであ(株)内) (東京都世田谷区駒沢)
大阪会場:いであ㈱大阪支社ホール(大阪市住之江区南港北)
■参加費:無料
■定 員:250名(東京会場150名、大阪会場100名)
■問合先:(公社)日本水環境学会 セミナー係:戸川
〒135-0006 東京都江東区常盤2-9-7 グリーンプラザ深川常盤201 号
Tel.03-3632-5351 Fax.03-3632-5352
プログラム等の詳細はこちらをご覧ください→https://www.jswe.or.jp/event/seminars/citizenseminar.html